鍼灸師と運動器エコー

鍼灸師が運動器エコーを臨床で使うために(ポリシー)

ポリシーをしっかり表明し守ることが医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師、メーカー、代理店から信頼をえる方法だと考えています。

慢性疼痛臨床チーム医療体制を構築するために

多職種との共通言語になる

医師、理学療法士、アスレチックトレーナー、看護師などの多職種の方達との

共通言語となるのが「解剖学、生理学、運動学、超音波エコー」です。

西洋医学を共通言語とすることで、医療従事者との信頼関係が構築されます。

信頼関係があることで東洋医学は西洋医学を補う補完医療(付加価値)になると考えています。

鍼灸師にエコーが必要な理由

施術の判断の補助(適応不適応の判断)

臨床で重要なことは、患者さんの症状が鍼の適応か不適応かを判断することです。問診、触診、動作検査などを行ったうえで、エコー観察を加えることで、より精度の高い判断ができると考えています。また、経験と感覚で判断した後にエコー観察し健側と患側を比べて見ることで評価の裏付けを得ることができます。不適応の場合はエコー画像をもとに医師へご高診願いを書くことで科学的根拠を提示することができるようになります。

医療事故防止(肺、腎臓、神経、血管など)

鍼灸師が一番気を付けなければいけない医療事故が気胸です。肩甲骨上角や肩甲間部を刺鍼する際に肺までの深さはいったい何センチぐらいなのか、疑問に思ったことが一度はあると思います。

そんな時エコーを用いれば、「胸膜の深さ、肋骨の深さ、位置がみえる」ので、
安全に刺鍼することができます。

また、腎臓や腸、神経、血管の深さや位置もエコーで確認することができるので、医療事故を未然に防ぐことができると思います。

このようにエコーを用いることで、施術者も患者さんも安全で安心して施術ができると考えています。

患者さん説明(西洋医学的根拠)

慢性疼痛で困っている患者さんは、病院で検査をしても異常がなく、痛みの原因がわからなくて苦しんでいる方が多いです。そこで、エコーを用いて、筋膜やトリガーポイントが痛みの原因のひとつであることを説明してあげると患者さんはとても納得していただけます。口頭だけの説明よりわかりやすいと顧客満足度が上がります。

鍼のエビデンス(見える化)

通常では施術者の経験値と感覚で刺鍼しますが、エコーで針先を見ながら刺入していくので針先がどこに当たったのか、何を貫いたのかを解剖に基づいて目で確認できます。

これにより従来のはり施術では難しかった、体の深い部分や、神経、血管、肺の近くでも、安全で確実な施術が可能となります。

また、針先が見えることで、患者さん、医師など第三者の方でも鍼の有効性がわかりやすくなります。

エコーガイド下刺鍼Ⓡについて

エコーガイド下刺鍼Ⓡの実例

武蔵野アトラスターズ整形外科クリニックにて、

ビーチサッカー女子日本代表選手を施術した動画となります。

ツボ(経絡経穴)の見える化(学術面)

ツボとファシアの謎

東洋医学のツボ(経穴)をエコーで観察することで、ツボの科学的根拠となる可能性があります。

今まで理解されにくかったツボの正体がファシアとの関係で少しずつ証明されてきていますので、

今後の学術研究に期待が高まってきています。

最新の研究成果などは以下をご覧ください。

一般社団法人 日本整形内科学研究会(JNOS)のホームページ
URL: https://www.jnos.or.jp

エコー購入時の注意点

コンプライアンス遵守

今ではさまざまな種類の超音波エコーがありますが、当会で推奨している機種は、「医療機器認証がある」エコーの購入を推奨しております。そのため、あまりにも安いエコーは認証がないものが多いのでご注意ください。また、鍼灸師が超音波エコーを使用する目的は施術の判断の補助となりますので、ご理解とご協力のほどをよろしくお願いいたします。

私にできることで鍼灸師の皆様に貢献していきますので、

引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。


※本案内の画像、動画は患者さんに承諾を得て使用しております。